お城公園(津市) 赤外撮影
赤外撮影について数名の方から質問を受けたので、説明をしておく事に致します。
特殊な赤外線のみを透過させるフィルム(フィルター)をレンズの前に貼って撮影します。そうすると赤外線を反射する木の葉っぱ等の緑が、赤外線で白くなり、反射しない物は黒く写る特性・効果を利用して被写体を選んで撮影すると、通常のモノクロとは異なった作品ができます。
この薄いフィルムを肉眼で透かしても、真っ黒で何も透けて見えません。人が見る事のできる可視光線ではなく、赤外線しか透さないからです。銀塩フィルムを使っていた当時は、赤外フィルムがあり色々と撮影をしてみたものです。今はデジタルになりローパスフィルターが有る事で赤外効果が出にくいため、赤外カメラとして自己責任で改造する場合もありますが、機種によってある程度の効果は出ます。但し、撮影する時にはファインダーを覗いても何も見えません。従って目測でピントも構図も決めなければなりません。
インフラレッドフィルムの透過には種類があり、私が使ったのは FUJIFILM の IR 76 です。この数字が大きくなるほど可視光線を透さなくなり、赤外効果は増す分、逆に可視光線が遮断されるので露光タイムも増し使い方が難しくなります。
デジタルカメラになった事の利点は、ライブビュー機能が有るカメラは液晶画面で構図や露出が確認できる事です。しかし機種によってや赤外透過率で映らない場合があります。カメラはマニュアルモードで撮影条件や使用レンズに応じて設定を変えながら試し撮りをして確認すれば良いでしょう。フィルム時代には経験と勘で割り出しました。
但し、波長が可視光線とは違うのでピント位置は変わります。そのままでは後ピンになります。旧レンズには赤外線指標がありましたが、デジタルレンズに指標は無いので、少しだけ前ピンにセットしたり、F値を絞り込んで被写界深度を深くしても良いですが、レンズ設計や絞り値の具合で様々に画像が変化するので、最適な状態を探し出す事が必要です。後は、被写体の選定と構図の問題です。赤外撮影も一度試してみると良い経験になるでしょう。